小学生に求められる非認知能力は、学力テストなどで測定できる「認知能力」(知識や学力)とは異なり、自分の感情や行動を制御し、他者と協力して問題を解決する力を指します。
非認知能力は、将来の学習や社会生活の基盤となるため、小学生のうちから育成が重要とされています。
★★★主な非認知能力の項目★★★
1. 自己制御力(セルフコントロール)
内容: 衝動を抑え、自分の行動や感情をコントロールする力
具体例:
宿題や課題を後回しにせず、計画的に行動する
イライラしたときに冷静さを保つ
集中力を持続させて、最後まで作業をやり遂げる
2. 自己肯定感
内容: 自分に対する肯定的な評価を持つ力
具体例:
「自分はできる!」と自信を持つ
失敗しても「また挑戦しよう」と前向きに考える
自分の得意なことや好きなことを見つけ、やる気を高める
3. 協調性(共感力)
内容: 他者の気持ちを理解し、協力して物事を進める力
具体例:
友達と協力してグループ活動に取り組む
トラブルがあったときに相手の立場に立って考える
クラスのルールを守り、みんなが気持ちよく過ごせるよう行動する
4. コミュニケーション能力
内容: 自分の考えを伝えたり、他者の意見を聞いたりする力
具体例:
自分の意見や考えをわかりやすく話す
先生や友達の話をしっかり聞き、質問する
話し合いの中で、みんなの意見を調整する
5. 忍耐力(やり抜く力、グリット)
内容: 困難な状況でも最後までやり遂げる力
具体例:
苦手な教科の問題にも根気よく取り組む
難しいパズルや工作でも途中であきらめず挑戦する
長い時間がかかるプロジェクトや作品作りを最後まで完成させる
6. 目標設定力
内容: 自分で目標を立て、その目標に向かって行動する力
具体例:
「夏休みの間に本を3冊読む」といった具体的な目標を立てる
テストの前に勉強計画を立て、実行する
運動会での「リレーで1位をとる」などの目標に向かって練習する
7. 問題解決力
内容: 困ったときに自分で考え、解決方法を見つける力
具体例:
友達とトラブルが起きたときに、どうすれば仲直りできるか考える
宿題がわからないとき、家族や先生に助けを求める
自分の力で新しい方法を試し、失敗を繰り返して解決する
8. 創造性(クリエイティビティ)
内容: 自由な発想で新しいアイデアを生み出す力
具体例:
図工の授業で独創的な作品を作る
「自由研究」でオリジナルなテーマを見つけ、調査する
普段の遊びの中で新しいルールを考え、友達と一緒に遊ぶ
9. 好奇心(探求心)
内容: 新しいものに興味を持ち、積極的に学び続ける力
具体例:
先生が話したことに対して「どうして?」「なぜだろう?」と質問する
自然や科学について興味を持ち、図鑑や本を読む
新しいおもちゃや遊び方を考え、チャレンジしてみる
10. 柔軟性(適応力)
内容: 変化する状況に柔軟に対応し、新しい環境に適応する力
具体例:
先生が突然の変更をしたときに戸惑わずに行動する
新しいクラスメートが来たときに、すぐに友達になる
ルールが変わったときに、新しいルールを守って行動する
まとめ
小学生に求められる非認知能力は、学力に直結するだけでなく、将来の社会生活においても重要な力です。特に、自己制御力、協調性、忍耐力は、子どもたちが学校や家庭生活で求められる基本的な力です。これらの能力は、学校の学習活動だけでなく、家庭での生活習慣(宿題や片付けなど)を通しても育まれます。